日本の入国管理法が大きく変わり、2019年4月より「特定技能」という在留資格が新設されます。
農業分野も「特定技能」の対象になっており、人手不足に悩む農家の大きな手助けになることが期待されています。それに伴い、労働関連法令の遵守なども求められることとなり、新たな仕組みづくりが求められます。
Q1.「特定技能1号」は、農業分野でどのような位置づけになりますか?
A1.農業分野で、農家と直接の雇用契約を結ぶ場合も想定されますが、多くは、農協がそれぞれの地域で外国人労働者と雇用契約を結び、複数の農家に派遣するという方式が一般的になりそうです。
この理由は、農業の分野では、農作業の繁忙期が地域、品目ごとに異なるという実態があります。
このために、同一地域内又は複数の産地で外国人労働者が働けることを可能にする仕組みが必要となるのです。
一部では、JAの選果場などの集出荷施設で就労を可能とするようになります。
Q2.「技能実習生」と「特定技能1号」の関連はどうなりますか?
農業分野では、3年間の技能実習を終え、水準に達していると認められれば、新制度の「技能実習1号」に在留資格変更申請ができます。
この場合は、日本語の試験は免除となります。現在、「耕種」と「畜産」の2分野が技能実習の対象分野となっているために。外国人労働者が実習した分野とは違う分野で働く場合、その分野の技能を問う内容の試験に合格する必要があります。
技能実習生と大きく違うのは、特定技能の在留資格に該当する場合は、自分でどの地区で働くかを選択できますので、人気のある場所と、そうでない場所と2分化される可能性があります。
Q3.「特定技能1号」に該当する外国人が行う業務の種類はどのようなものと考えればいいですか?
「特定技能1号」の農業に従事する外国人労働者の場合、作物の栽培管理や家畜の飼育管理などに加え、JAの施設での作業以外に、農畜産物の製造・加工・販売に関する業務や冬場の雪かきなど。
通常の農家が年間を通じて行っている作業であれば、行うことができます。
Q4.農業の分野では、「特定技能1号」の在留資格に関して制度を円滑に進めるためどのような仕組みを準備していますか?
農業分野では、農林水産省の主導で「農業特定技能協議会」という名称で立ち上がる予定です。
この協議会には、JA全中や日本農業法人協会、全国農業会議所などが参加する予定です。外国人が賃金水準の高い地域に集中して、一定の地域において人が集まりにくくなることも想定されます。
その調整役として機能することが期待されています。
参照資料:農林水産省 農業分野における外国人の受入れについて